GORE-TEX PRODUCTS メンテナンスブック。

目次

GORE-TEXウェアについて

はじめに

ウェアは、極端に汚れてしまったり、汚れを長期間放置してしまうと、防水性や透湿性などの機能を十分に発揮できなくなります。アウトドアでは雨に当たる、手に触る、泥が跳ねる、煙に当たる、汗が付くなど、ウェアが汚れる条件は意外に多いものです。汚れを落とすことでウェアが長持ちするだけでなく、表生地の撥水性が回復するなど、洗濯はシンプルで重要なメンテナンス方法です。できるだけ、一般的な衣類と同じ頻度での洗濯をおすすめします。

保管方法

「綺麗な状態で風通しの良いところ」が基本です。

しばらく使う予定がないときは、洗濯したあと、ハンガーに吊下げておくか、軽く畳んだ状態で乾燥した所にしまいましょう。高温多湿になる屋外倉庫や車の中、直射日光の当たるところは避けてください。

もしすぐに洗濯ができないときでも、少なくとも風通しの良いところで保管をしてください。持ち運び用のスタッフバックは窮屈で湿気もこもりやすく、ウェアにストレスがかかっています。帰ってきたら必ず取り出しておきましょう。

GORE-TEXウェアの仕組み

GORE-TEXウェアの生地は、表生地、GORE-TEXメンブレン、裏地がはりあわさってできています。

GORE-TEXメンブレンは非常に薄い膜で、防水性、透湿性、防風性の要になります。

メンテナンスの際は、このメンブレンに傷をつけないよう、絞ったり、硬いブラシで擦ることは避けてください。

撥水と防水の違い

撥水性とは表面で水を弾く機能です。撥水がしっかり効いていれば、水は表面をコロコロと流れていきますが、圧力がかかった時には、生地は水を通してしまいます。防水性は水の浸透をブロックする機能で、穴などが開いていない限り、水を通すことはありません。

撥水の仕組み

撥水加工がされている生地の表面には、撥水基が綺麗に整列しています。この撥水基(微小な柱のようなもの)が整列して立っているときは水を弾きますが、撥水基が乱れたり倒れたりすると水を弾くことができずに、生地の表面に水が広がった状態になります。

倒れた撥水基は、簡単にメンテナンスで回復できます。

*生地の表面に水があると生地が重くなったり、冷たく感じたりします。また、水の膜により透湿性が低下すると、汗を逃がせず、漏れの原因になります。

How to 洗濯

洗濯前

ウェアについている洗濯取り扱い表示を必ず確認して、その内容に従ってください。

洗剤や汚れが残らないように、すすぎは通常の2倍を目安に、充分に行うことをおすすめします。

ウェアのファスナーやベルクロはすべて止めます。

収納式フードは出してください。絞ったドローコードも緩めます。

生地が絡まないようにネットへ入れます。

*手洗いはたっぷりの水で丁寧に。

*ドライクリーニングは撥水性に影響を与える場合があります。

*汚れがひどい衣類とはわけて洗ってください。

洗濯〜すすぎ

洗剤は漂白剤や柔軟剤が入っていない、液体洗剤を少量使うことをおすすめします。ぬるま湯(40℃以下)を使用すると、より汚れが落ちやすくなります。洗剤も汚れと同じく撥水性を低下させるので、残らないよう、すすぎはしっかり行って下さい。

防水透湿ウェア専用洗剤を使う場合は、洗剤の説明書に従ってお使いください。

頑固な汚れでも、染み抜き剤やもみ洗いはNGです。汚れのひどい部分は、一度洗剤を使い、ぬるま湯で洗ってから通常の洗濯をして下さい。

*漂白剤、染み抜き剤は生地を痛める可能性があります。

*柔軟剤、芳香剤はすすぎ後も生地に残り、撥水性能に影響を与える可能性があります。

乾燥

GORE-TEXウェアは水を通さないので、洗濯機での脱水は短時間、もしくは省略してもOKです。

十分すすいだ後、水を切ったら日陰での吊干しでしっかり乾かして下さい。製品によっては、そのまま乾燥機にかけることもできます。乾燥機内の水分が亡くなった後には、撥水回復のための熱処理をおすすめします。

*環境のためにも日陰干しをおすすめします。

熱処理

撥水基は、綺麗な状態で熱をかけるとまた整列し直し、撥水性が回復します。ウェアを乾かした後に是非この一手間を。

1、乾燥機の場合:

乾いたウェアを乾燥機に入れて20分温風乾燥。

2、アイロンの場合:

アイロンの設定は低温・スチームなしで。必ず当て布をして下さい。ファスナーなどのGORE-TEXファブリクス以外の部分を避け、ゆっくりアイロンをかけます。

*冷風による感想では、撥水は回復しません。

How to メンテナンス

撥水剤 / 補修

洗濯、熱処理しても撥水性が回復しない時は、撥水加工が取れている可能性があります。

その際には市販の撥水スプレーなどをお使い下さい。使用の際は、お使いになる撥水剤の説明に従って取り扱って下さい。

GORE-TEXウェアに小さな破れや刺し傷を作ってしまった時は、「リペアキット」を使ってご自分で修理できます。

GORE-TEXウェアを販売しているアウトドアショップなどでお求め下さい。ご自分で修理できないような破れや傷の場合は、購入された販売店、もしくはメーカーまでお問い合わせください。

*撥水加工は摩擦などにより撥水基自体が取れてしまうことがあります。その場合は熱処理では戻らないので、撥水処理をして下さい。

GORE-TEXフットウェアについて

GORE-TEXフットウェアとは

あいにくの雨、石伝胃に渡る沢。フィールドには足を濡らす要素がたくさんあります。

足が濡れると不快なだけでなく、皮膚がふやけてマメになりやすかったり、冷えで疲労を早めたりします。足はとても汗をかきやすいので、シューズ内のムレ対策も必須です。

GORE-TEXフットウェアはGORE-TEXファブリクスが足を包み込むように靴下状に内蔵され、外部からの水を通さず、汗による水蒸気を外に逃します。この構造により、足を常にドライで快適に保つことができます。

GORE-TEXフットウェアのメンテナンス

GORE-TEXファブリクス自体に損傷がない限り、機能が低下することはありません。

メンテナンスのポイント

1つ目は防水性を損なわないためにGORE-TEXファブリクスを傷つけないことです。

まずは中敷を取り出してからシューズに入った小石や砂は取り除き、伸びた爪など鋭利なものにも気をつけて下さい。

2つ目は浸透性を維持するために表面を綺麗に保つことです。

アッパー素材に応じて、一般的には素材がレザーであればブラシで汚れを落とし、必要に応じてクリームなどを塗ります。

アッパー素材が布であれば、スポンジとぬるま湯で洗って自然乾燥して下さい。

ともに最後に撥水スプレーをかけるとアッパー素材が水を含みにくくなり、汚れの付着の軽減にもなります。

GORE-TEXフットウェアの保管方法

保管方法で大切なことは高温多湿な場所での保管を避けることです。

湿気がこもりやすい購入時の靴箱などでの保管は避け、風通しの良い靴棚など、湿気の少ない所で保管をお願いします。

参照資料 GORE-TEX PRODUCTSメンテナスブック

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この記事を書いた人

趣味で登山を楽しんでいます。特に関東近辺の山に登っています。
登った山の情報や旅行で行った場所の情報などを発信しています。

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