登山靴の取り扱いについて
お手入れの善し悪しは、ブーツの寿命を大きく左右します。また、履き心地にも大きく影響を与えます。ブーツの持っている性能を十分に引き出す為にも、しっかりとお手入れをしてください・ブーツの素材によってはお手入れの方法も異なりますので、そのタイプ(素材)にあったお手入れをしていただくことが大切です。
使用前のメンテナンス
スウェード・ヌバック・皮布コンビタイプ
①靴紐を外し、靴全体に靴専用の防水スプレーを靴の表面の素材が染みるぐらい吹付けてください。防水強化とともに、汚れ防止にもなります。乾いたら軽くブラッシングするとより効果的です。
⚠︎防水スプレーは換気の良い野外でご使用してください。(屋内での使用は避けてください)
山から帰ったら手入れをしましょう
スウェード・ヌバック・皮布コンビタイプ
①靴紐とインソールを外して、靴についた汚れを、ブラシでよく落とし、硬く絞ったタオル等で汚れを綺麗に拭き取って、日陰で自然乾燥させてください。
⚠︎汚れの酷い場合は、水洗いをしてください。ただし、毎回の水洗いは靴の縫い糸や皮を傷めます。
⚠︎乾燥させる際、直射日光、ストーブ、直火などの使用は避けてください。ラバーランド、ミッドソール、ゴム底の接着力を弱め、剥がれの原因になります。
②スウェード・ヌバック部分にスウェード用スプレーを軽く吹き付け、専用ブラシ(スウェードにはナイロンブラシ面、ヌバックにはプレーンなゴム面)の用い、吹き出した汚れを一定方向へブラッシングして取ってください。
⚠︎スウェード・ヌバックレザーにミンクオイルやスノーシールなどの通常保革油と言われる油脂(固形・液体問わず)を使用すると、色や表面の状態が変化して見た目も変わります。できるだけ使用を避けてください。
★スウェード / 革の裏面を起毛させる加工を施し、しっとりとした風合いを持つ革。ゴアテックスとの相性も良い。
★ヌバック / 革の表の銀面をガラスの粒子吹き付けやサンドペーパーなどであえて傷をつけて起毛加工を施した、ビロードのような風合いを持つ革。防水性が高く、手入れも簡単。
保管と注意について
登山靴は換気の少ない、風通しの良い場所に立てて置くのが理想的です。保管の際は下記の事項に注意してください。
●一度履いた靴は箱に入れたり横に寝かせて置くと、型くずれを起こし足の各部のあたりの原因になります。型くずれ防止の為に古紙などを詰め込む場合は、古紙に湿気がこもらないようにこまめに取り替えてください。
●湿気が多い場所やビニール袋などの密封した通気性の悪い状態で保管すると、靴全体を痛め登山靴ではソールの破損や剥がれの原因となります。
注意!靴底の剥がれおよび破損に関して
登山靴は使用の有無に関わらず、年数の経過(3〜5年)している靴や保管状況(高温多湿の場所や箱に入れて長時間保存)によって、ゴム底とミッドソールの接着力が低下して剥がれたり、ミッドソールにウレタン系素材を使用している靴は素材の劣化が進み山行中に突然ミッドソールが破損してしまうことだあります。ソールの故障が原因で大きな事故につながる場合もあります。使用前には必ず、点検、メンテナンスをすること、また、年数の経過している靴や保管状況が悪く、あまり使用していない靴はソールの張り替えまたは、新しい靴への買い替えをおすすめします。
山で靴底が剥がれた時の応急処置
テーピングテープなどで靴底を本体におさえつけ、さらにロープで強く巻き付けてください。
登山靴の履きならしに関して
新しく購入した登山靴は、随所に足を守るための素材が入っており硬い状態です。山で実際に使用する前に、ご自宅周りで念のため履き慣らすことをおすすめします。履き慣らしかたとして、丁寧に靴紐を締める事がポイントです。靴に足を入れ、踵に合わせて足全体がフィットするように、靴紐を丁寧にしっかり締めてください。その後30分前後の履き慣らし歩行を繰り返す事で、靴の硬さや足へのフィット感に少しずつ慣れて行きます。まずは歩きやすいコースへでかけてみましょう。
1、靴紐をきっちり締めましょう。
登山では普段よりも大きな荷重(体重+ザックの重量)が両足にかかります。しかし、普段の感覚で締めルト、登山靴の中で足がずれ、下りで足指・爪を痛めたり靴が重たく感じたり、また疲労感も増してきます。靴紐はできるだけ足全体を包み込むようにして甲部分をきっちり締めてください。登山靴が足にフィットするとズレも少なくなり、靴も軽く感じるようになります。特に下りでは、必ずこの締め方を守ってください。また、余った靴紐を足首に巻くと靴の型くずれや足首周りの靴ずれ・あたりの原因になりますので避けてください。
2、インソールを交換しましょう。
インソールを入れ替える事で血行促進やむくみを和らげるなど、足のバランスを保つ事で今まで以上の快適な山行を楽しめます。